高校進学を前にして、さまざまな選択肢から「料理」という道を選んだ末永さん。
「中学生の頃は、保育士になりたかったんですけど(笑)。ピアノが弾けなくて、断念しました。料理が趣味というわけではなかったのですが、食べるのが好きだったし、子どもの頃は従姉妹とお菓子を作ったりしていたので、興味がないわけではなかったんです。それで、いろいろ考えた末に、調理科がある大村の向陽高校に進学することにしたんです」。
自宅から毎日1時間、JR列車に揺られての通学。高校3年間で学んだことは、とても大きなものだったようです。
「1年生の時は和食を、2年生では西洋料理、3年生では中華と給食などの大量調理を学びました。その中で、2年生時の西洋料理がとにかく楽しくて。お菓子まで作られるというのも嬉しかったですね。それで、将来的には西洋料理を目指そうと決めていました。ただ、その時点ではホテルがいいのか、個人のレストランがいいのか…具体的には決めかねていて。最終的に、ホテルに就職したいと思ったのは、「ホテルなら、休めないほど忙しいだろう」と思ったからなんです(笑)。私、忙しいのが好きで、あの頃は、休みなんて要らない!と思っていました。今となっては、休みがすごく欲しいです!(笑)」。
なんというモチベーション!働くことが好き、忙しいことが苦にならないなんて、今どきの女の子にしてはあり得ないようなパワーです。そのパワーの源は、小学生の頃から続けていたバレーボールにあるとか。
「働き出してから、バレーをやっていて本当によかった!と思いますね。あの頃、身についた根性と体力が今、とても役に立ってますから(笑)」。
小柄な体格ながら、レシーブを得意とする末永さんはリベロとして大活躍。拾って拾って拾いまくる!という、リベロのポジションで鍛えられた末永さんの根性は、自身でも認めるほどの筋金入り。今回の全国1位は、「休みを返上してでも、納得いく仕事を!」という、末永さんだからこその快進撃だったのかもしれません。
「高校では、プロの料理人の方が教えに来てくださったのですが、それもすごく刺激になりました。ホテルニュー長崎の川端総料理長も、私の後輩たちに教えてくれていたんです。私は直接指導を受けてはいないのですが、休み時間に川端総料理長の授業を見に行ったり(笑)、その頃から交流はありました」。
未来の上司となる川端総料理長との出逢いも、高校時代に果たしていたわけですから、末永さんとホテルニュー長崎、川端総料理長の縁はとても深いものなのかもしれません。
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